ビジネスメールで別件を切り出す際は、相手にわかりやすく配慮した表現が大切です。
まず、メインの用件を伝えた後に、「別件ですが」や「ちなみに」といったフレーズで自然に話題を切り替えます。
丁寧さを求められる場面では「別件で恐縮ですが」などの敬語を用い、シンプルに伝えたい場合は「別件となりますが」などの表現も適しています。
複数の用件があるときは、段落を分けて整理し、読み手が混乱しないように心がけましょう。
こうしたポイントを押さえることで、スムーズで好印象なやり取りが実現します。
【状況別】別件を切り出す際の例文集
「別件で恐縮ですが」を使った丁寧な例文
- 別件で恐縮ですが、来週の打ち合わせ資料についてもご確認をお願いいたします。
お忙しいところ恐れ入りますが、修正点がありましたらご教示いただけますと幸いです。 - 別件で恐縮ですが、新商品のカタログ送付についても併せてご案内申し上げます。
- 別件で恐縮ですが、先日のご注文に関していくつか確認させていただきたい点がございます。
- 別件で恐縮ですが、来週の打ち合わせ資料についてもご確認をお願いいたします。
さらに、資料の修正点がございましたら、お手数ですがご教示いただけますと幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。
「別件となりますが」を使ったシンプルな例文
- 別件となりますが、来月のイベント日程についてお知らせいたします。
ご都合の良い日時がございましたら、ぜひお知らせください。 - 別件となりますが、今月の営業報告書を添付いたしましたのでご確認ください。
- 別件となりますが、次回会議の議題についてご相談させていただきたく存じます。
- 別件となりますが、来月のイベント日程についてお知らせいたします。
ご都合の良い日時がございましたら、ぜひお知らせください。
詳細については改めてご案内いたしますので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
社内で使えるカジュアル寄りの例文
- ちなみに、来週の全体ミーティングの開始時間が変更になりましたのでお知らせします。
急な変更でご迷惑をおかけしますが、ご確認のほどお願いいたします。 - ちなみに、プロジェクトの進捗状況について、共有させていただきます。
- ちょっと補足ですが、今週の資料提出期限が変更になりましたのでお知らせします。
- ちなみに、社内研修の日程が決まりましたのでご案内いたします。
- ちなみに、来週の全体ミーティングの開始時間が変更になりましたのでお知らせします。
急な変更でご迷惑をおかけしますが、ご確認のほどお願いいたします。
何か質問があれば、気軽に声をかけてくださいね。
メールで別件を切り出すときの基本マナー
読み手の立場に立った文章の流れ
メールは相手にとって読みやすく、わかりやすい構成が大切です。別件を切り出す際も同様で、読み手が混乱しないよう要件ごとにしっかり区切ることが重要です。例えば、ひとつのメールで複数の話題が混在すると、どの内容に対応すればよいか迷ってしまうことがあります。そこで、段落ごとに話題を分け、見やすい改行や適切な接続詞を使うことで、自然な流れを作りましょう。また、要件の優先順位を意識して書くと、相手も対応しやすくなります。
切り出す位置と全体の構成バランス
基本的には、メールの冒頭にメインの要件を配置し、その後に別件を記載することが一般的です。こうすることで、読み手はまず重要な内容を把握でき、余裕があれば別件にも目を通せます。もし別件がメインの要件に強く関連している場合は、文中でスムーズにつなげて書くと良いでしょう。一方で、全く異なる話題を後半に入れる際は、改行や段落を明確にし、「別件ですが」などのフレーズで切り替えを示すことがポイントです。また、あまりにも多くの別件を一度に盛り込むと、かえって読みづらくなるため、件数が多い場合はメールを分けることも検討しましょう。
複数要件をまとめるか分けるかの判断
複数の要件を一通のメールにまとめるか、別々に送るかの判断は、内容の関連性や相手の負担を考慮して決めます。関連性が高く、同じテーマの範囲内であれば、一通で済ませた方が効率的です。しかし、全く別のテーマや、異なる部署・担当者宛の場合は、それぞれのメールに分けた方が受け手にとってわかりやすく、対応漏れを防ぐことができます。また、急ぎの案件がある場合は、その内容を優先的に単独で送ることも有効です。どちらにしても、相手の立場や状況を考えて配慮することが、気持ちよくコミュニケーションを進めるコツです。
よくある場面別・別件の切り出し方
社内連絡での別件
社内メールでは、かたくなりすぎず自然な言葉遣いがポイントです。例えば、「ちなみに〜」や「あわせてご案内ですが」といった表現を使うと、柔らかく親しみやすい印象になります。また、相手との距離感や関係性に応じて、少しくだけた言い回しを取り入れるのも効果的です。例えば、「ちょっと補足ですが」「こちらもあわせて確認お願いします」など、気軽に伝えられる表現が好まれます。さらに、社内での別件を伝える際は、メインの内容との関連性を示すと分かりやすくなります。例:「メインの件に加えて、別件として〜」というように流れを意識すると、相手が受け取りやすくなります。
取引先とのやり取りでの別件
取引先へのメールは、丁寧さと礼儀正しさが求められます。「別件となりますが」「あらためてご案内申し上げます」「恐縮ですが」などの敬語表現を用いて、切り替えを丁寧に伝えることが大切です。また、相手の忙しさを配慮した一文を添えると、印象がより良くなります。例:「お手数をおかけいたしますが、別件についてもご確認いただけますと幸いです。」さらに、取引先との別件は、内容がわかりやすいように簡潔にまとめ、要点を押さえて伝えることが望まれます。重要な情報が埋もれないよう、別件の前後に適切な区切りを入れると親切です。
案内メールや依頼メールでの別件
案内や依頼のメールでは、複数の情報を一度に伝えることが多いため、「合わせてお知らせいたします」「こちらも併せてご確認ください」といった案内調のフレーズが効果的です。こうした表現は、複数の内容をまとめつつ、丁寧な印象を保ちます。加えて、案内メールでは、別件の重要性や緊急性に応じて強調する方法も有効です。例えば、「あわせてご確認いただきたい重要なお知らせです」など、相手が注意を向けやすいよう配慮しましょう。また、依頼メールで別件を切り出す際は、依頼内容がわかりやすいよう簡潔に伝え、相手の負担にならない言葉遣いを心掛けると良いです。
「別件で恐縮ですが」の言い換えフレーズ集
ビジネスメールで「別件で恐縮ですが」という表現はよく使われますが、同じ言葉ばかりを繰り返すと堅苦しい印象になりがちです。
そこで、場面や相手との関係性に応じて言い換えフレーズを使い分けることで、より自然で柔らかい印象を与えられます。
例えば、丁寧さを重視する取引先向けのメールでは「別の件についてご案内申し上げます」「恐縮ですが、別の事項をご確認いただけますと幸いです」といった丁寧な表現が適しています。
一方で、社内のカジュアルなやり取りなら「ちなみに」「あわせてお伝えします」「ひとつ補足ですが」など、少しくだけた言い方で親しみやすさを出すこともできます。
また、中間的な表現として「別件ではございますが」「ほかの件となりますが」「少々別の話になりますが」などがあり、相手との距離感に応じて使い分けるとよいでしょう。
このように言い換え表現を用意しておくと、メールの印象を調整しやすく、円滑なコミュニケーションに役立ちます。
丁寧な印象を与える表現
- 「別の件についてご案内申し上げます」
- 「ほかの件に関しまして」
- 「恐れ入りますが、別の件についてご連絡いたします」
- 「恐縮ですが、別の事項をご確認いただけますと幸いです」
- 「改めて別の件についてお知らせいたします」
柔らかく親しみやすい表現
- 「ちなみに」
- 「あわせてお伝えします」
- 「それから、もうひとつお知らせです」
- 「ついでにご案内いたしますが」
- 「ひとつ補足ですが」
固くなりすぎない中間的な表現
- 「別件ではございますが」
- 「ほかの件となりますが」
- 「少々別の話になりますが」
- 「別の話題に移りますが」
- 「別途ご案内させていただきますが」
連続してメールを送る場合の切り出し方
ビジネスメールで短い間隔で連続して送信する場合、相手に負担をかけずに内容を伝えることが大切です。
そのため、最初のメールとの関連性をわかりやすく示し、どの部分が新しい情報なのかを明確にする必要があります。
たとえば、最初のメールで伝えた内容の補足や追加情報を送る際は、冒頭で「先ほどのメールに追加のご案内です」や「先のご連絡に続きまして」などと伝え、内容が続きであることを示します。
これにより、受け手は情報の流れを把握しやすくなり、混乱を防げます。
また、件名にも「【追加】」や「補足」などを入れると、受け手がメールの重要度や関連性を一目で理解しやすくなります。
さらに、内容は簡潔にまとめることで、読む負担を軽減し、スムーズな対応を促せます。
頻繁に連続で送る場合は、相手の状況も考慮し、送信ペースを調整する配慮も忘れないようにしましょう。
間隔が短い場合の自然な書き出し例
- 先ほどのメールに追加でお知らせがございます。
- 先ほどのメールに追加でお知らせがございます。
- さきほどのご連絡に続き、補足事項をお伝えいたします。
- また、先のメール内容について少し補足させていただきたく存じます。
追加連絡をスムーズにする文のつなぎ方
- 追ってのご連絡となりますが、先ほどの件について補足です。
- 追ってのご連絡となりますが、先ほどの件について補足です。
- 続けてのご連絡で恐縮ですが、追加の情報がございます。
- 先ほどのご案内に関連して、補足のご説明をさせていただきます。
連続送信でも負担を感じさせない工夫
簡潔な件名や冒頭文で、追加の内容がすぐに分かるようにします。
また、内容を短くまとめることや、重要なポイントを強調することも効果的です。
さらに、前回のメール内容と関連付ける言葉を使うことで、受け手が流れを把握しやすくなります。
加えて、頻繁すぎない送信ペースを心掛け、相手の負担にならない配慮も大切です。
まとめ前の整理パート:すぐ使えるチェックリスト
- 要件の優先度を明確にしているか。重要な内容から伝えることで、相手が対応しやすくなります。
- 切り出しの位置が適切か。メールの流れを意識し、別件を後半や段落を変えて自然に切り替えているか確認しましょう。
- 読み手にとって理解しやすい表現になっているか。わかりやすい言葉遣いや、簡潔な文章で相手が迷わず読み進められるかチェックしてください。
- 一通に複数要件をまとめすぎていないか。内容が多すぎると読み手の負担になるため、必要に応じてメールを分けることを検討しましょう。
- 使う言葉や敬語が相手に適しているか。相手との関係性や状況に応じて言葉遣いを調整することで、より良い印象を与えられます。
- 件名が内容に合っているか。メールを開く前から要件が伝わる簡潔で具体的な件名を心がけると、開封率や対応スピードがアップします。
まとめ
別件の切り出しは、文章の流れを整え、相手への細やかな配慮がとても大切です。適切な言葉遣いや切り出し方を選ぶことで、読み手が読みやすく、理解しやすいメールになります。さらに、場面や相手に合わせた表現を工夫することにより、コミュニケーションが円滑になり、信頼関係の構築にもつながります。
また、自然で読みやすい構成を心がけることで、やり取り全体がスムーズに進み、受け手にとっても好印象を与えやすくなります。こうしたポイントを押さえることで、ビジネスメールの質が向上し、結果として良好な関係を築くことができます。今後のメール作成にぜひ役立ててください。